2020年07月09日
はじめまして!
有限会社サミットベテリナリーサービスの戸田宗生(とだ しゅうせい)と申します。私は大学を卒業後すぐに現在の会社に就職し、養豚専門のコンサルタント獣医師として全国の養豚場を訪問しながら経験を積ませていただいています。
今回は直接豚に関する話題ではなく、私の趣味の『アクアリウム』についてご紹介したいと思います。
アクアリウムは水槽で生物を飼育すること全般を指し、海水魚や淡水魚だけでなく、甲殻類、水草やコケ、サンゴに至るまで様々なジャンルが存在します。
実は私は大学時代も水族医学(旧:魚病学)という、魚の病気や免疫を研究するとてもマイナーな研究室にいたほど、アクアリウムのファン(通称、アクアリスト)です。
アクアリウムの魅力は、魚の美しさや水槽全体の景観を楽しむだけではなく、水槽内の環境を人工的な技術で再現することも楽しみの1つです。
本来、野生の水棲生物は、海や川、湖、池などのとても広大なエコシステムの中で生きています。それを、自宅の小さな箱庭の中で飼育するには、野生での環境を水槽内で人工的に再現しなければなりません。
再現するためには環境を構成している多様な要因を、様々な装置を使ってより自然に近づける必要があります。水温や硝酸体窒素濃度、pHはその代表と言えます。
特にサンゴの飼育はシビアな調整を必要とし、水流や光量、日照時間、塩分濃度、カルシウムやマグネシムなどの微量元素濃度などを適正に維持することが要求されますが、これらを達成できたとき生物は想像以上の美しさや成長を見せてくれます。
この、「生物の求める環境を作ることで、最高のパフォーマンスが得られる」ということは、養豚にも通ずると考えます。
室内温度や湿度、すきま風、アンモニアガスや二酸化炭素濃度は豚に影響を与える環境要因として挙げられます。
豚に適した環境をつくることは、疾病を制御する上でもとても重要です。環境コントロールはワクチンや薬剤を投与することよりも一般的に難しいことが多いですが、これも養豚の魅力の1つではないでしょうか?
環境コントロールは、豚舎構造や機材などのハードの部分と、換気量設定や実際に使用する現場スタッフの知識・理解などのソフトの部分を、両軸で動かしていくことが求められます。
豚舎設計の提案や環境モニタリング、人材教育プログラムなどは環境コントロール向上のための一助となります。
養豚場でのよりよい環境作りのお手伝いができればと思います。
アクアリウムの相談もお待ちしております。
自宅の水槽