INTRODUCTION – リーダー挨拶

PRRS撲滅チームJAPAN(PRRS JAPAN ELIMINATION TEAM:以下P-JET)は、 全国各地の現場でPRRS撲滅に取り組む獣医師や研究者らが、産官学の垣根を越えて集まり2011年7月にスタートさせた有志組織です。

日本では1990年前後に初めて症例が認められたPRRS(Porcine Reproductive and Respiratory Syndrome:豚繁殖呼吸障害症候群)。
経済的打撃が極めて大きく、日本の養豚産業が被る損失は年間280億円とも言われています。
米国ではPRRS発生当初から、さまざまな研究や現場検証から着実にノウハウや技術が蓄積され、数々の成功症例が報告されています。

では日本の現状はどうか?
PRRSに対する問題意識や危機意識がまだまだ希薄であり、またPRRSという疾病自体に対する正しい知識や理解も不十分であるというのが現状です。

対策に取り組もうにも「いったい何をどうすればいいのか?」という不安の声。
情報の不確かさから「何をしてもダメだ」という諦めの声。

長年の研究から、PRRSコントロールおよび撲滅のため必要なツールはすべて揃っています。
あと必要なのは、正しくそれらを理解し、実行のための一歩を踏み出す強い意志なのです。

我々P-JETの活動目的は、PRRSのコントロールと撲滅のための技術やノウハウを正しく理解していただくこと。そして、その過程で日本の養豚産業に携わる人が一致団結「ALL JAPAN」となって、PRRSの撲滅に向かって進んでいけるよう、人と情報のネットワークを構築するための架け橋となること。

そして、P-JETの究極的な目的は、PRRSだけに限らず、今後将来出現するであろう未知の養豚疾病に対しても功を奏す、真の意味での地域ぐるみの防疫体制の土台を根差すこと。PRRSは、そのきっかけの一つにすぎないのです。
「我々はひとりじゃない!」
いっしょにPRRS撲滅のための一歩を踏み出しましょう。

P-JETリーダー
大竹 聡