Vol.20「当たり前」の大切さ 堀内大助

2020年01月22日

皆さん、こんにちは。ゾエティス・ジャパン株式会社の堀内大助と申します。

私は大学を卒業後、ゾエティス前身のファイザーに入社し、12年ほど養豚関連製品の営業担当者として関東、北東北などを担当していました。その後、営業部からマーケティング部へ異動となり、引き続き養豚関連製品に携わる形で現在に至ります。

私は獣医系大学を卒業しましたが学部は獣医ではなく、「豚」にかかわる経験や体験は入社してフィールドに出るまで「ほとんどゼロ」の状態でした。営業も初めて、豚も初めて・・・という「初めてづくし」の中で、本当にいろいろな方に支えられて今があることに、この場をお借りして心から感謝申し上げます。

お世話になった方々から教えていただいたことはあまたあるのですが、その中でも最も印象的でいつも心に留めている言葉の一つ、「当たり前」についてお話ししたいと思います。

「当たり前」とは、辞書によれば「そうあるべき・すべきこと」や「普通のこと、ありふれていること、当然」などとされています。養豚場・養豚業における日頃の「当たり前」といったら何でしょうか。例えば、洗浄・消毒、整理整頓、ピッグフロー、バイオセキュリティー、コミュニケーション・・・・・・ 挙げたらきりがないでしょう。

では、その当たり前が失われてしまったらどうなるでしょうか。例えば、洗浄・消毒方法が人によってまちまち、整理整頓がされていない、農場の外からそのまま敷地内に入ってくる人がいる、従業員同士の作業引継ぎや伝達がうまくいっていない・・・・・・ いずれ、成績の悪化や病気の侵入を招いてしまうことは、想像に難くありません。

当たり前だからこそ、「やっていて当然」。しかし、その「当然」を続けることの難しさは計り知れません。なにも養豚に限ったことではないですが、やっていて「当たり前」のことは、やっていてもなかなか気付かれず、目新しくもなく、面白くもなく、そして評価もされにくいからです。(やらなくなると、指摘されたり怒られたりしますが、大体何か悪いことが起きて初めて気付かれます。)

当たり前のことを地道に続けていくこと。そして、ただ「ぼーっと」続けるだけではなく、その「意味や理由を意識して続ける」こと。これが王道の一つだと教えていただきました。

この度、お声がけをいただきP-JETに参加させていただくことになりましたが、PRRSについて踏み込んでいけばいくほど、この「当たり前のことを続けていくこと」の大切さを改めて実感しています。

生まれた子豚はやがて出荷されお肉になる運命。その期間はあっという間に過ぎていきますが、その子豚が病気のリスクから少しでも解放され健やかに育っていけるよう、そして養豚に携わっている方々のお役に立てるよう、微力ながら今後とも尽力してまいります。