Vol.15 PRRSを諦めない 小東智哉

2018年12月11日

皆様こんにちは。JA宮崎経済連の小東智哉と申します。
今回は簡単に自己紹介をさせていただきたいと思います。

私は畜産県であるここ宮崎で生まれ育ち、宮崎大学を卒業し、JA宮崎経済連へ入会した生粋の宮崎人です。普段は本会の直営農場や預託農場、その他県内の生産者の方々への生産性向上指導等を業務としています。

幼少より動物が好きで、動物園か水族館で働きたいと漠然と思っていた私ですが、大学4年次に病理学研究室へ入室したことが豚との出会いでした。大学での解剖学実習は牛を扱うことが多かったのですが、病理学研究室へ所属していた私は普段より病理解剖にて犬、猫の他、家畜や珍しいものではライオン、キリン、イルカ等、様々な動物を診ていました。それらの動物の中には当然豚もいましたが、解剖する豚はほとんどが重度の肺炎になっていました。それまで豚の飼養環境をよく理解していなかった私はこんなに肺炎が多いのは何故だろうと思うのと同時に、「豚の現場を見てみたい、携わってみたい」と思うようになっていました。

こうして養豚の世界へ飛び込むこととなった私ですが、疾病を始めとした養豚の抱える様々な問題に日々悪戦苦闘しながらも立ち向かっています。この仕事をやっていて難しいことの一つとして「人を診ること(=豚を診る)」があります。豚を飼養しているのは人間ですので、豚の状態を改善するには当たり前ですが、人を改善する必要があります。養豚密集地帯である宮崎で仕事をしていると、「周りがPRRS陽性農場だから、うちだけ対策をやっても仕方ないよ」と最初から諦めムードになっている生産者に出会うことも少なくありません。地元を始め、養豚業界からこの諦めムードを無くすことが養豚獣医師としての私の目標の一つです。

近年の養豚業界を取り巻く情勢は厳しく、飼料価格や枝肉相場については個人単位ではどうこうすることはできませんが、目の前にある疾病対策についてはすぐに着手することができます。PRRSを始めとした疾病コントロール、撲滅は今後養豚業界を生き抜くための大きな鍵となってきています。P-JETの活動が皆様の農場の疾病対策の道標となり、生産性向上に繋がるよう努力して参ります。よろしくお願いします。