Vol. 2 養豚に対する想い~アニマル・ウェルフェアに関する考察~ 宮下まり

2017年10月18日

皆さま、こんにちは!ベーリンガーインゲルハイムベトメディカジャパン()の宮下まりです。今日は、アニマル・ウェルフェアへの想いについて少しお話ししたいと思います。

現在の会社に入社した当初はドイツ本社勤務でしたので、ドイツやデンマークの養豚場を中心に訪問していました。その後、2008年から日本に転勤となりました。ヨーロッパと言えば、多産系母豚やアニマル・ウェルフェアが話題になりますが、
特にアニマル・ウェルフェアはまだまだこれからいろいろな展開がありそうです。

 3年前にドイツの養豚場を訪問した際は、新しい飼養管理基準に苦慮している生産者が多く、動物愛護団体からの圧力に不安を感じていました。また昨年ミュンヘン大学を訪れた際には、近く予定されている雄子豚の去勢規制に関してまだ現実的な現場の解決策がないまま法律だけが先に進められていることに獣医師が悩んでいるとの話がありました

日本でも、少しずつアニマル・ウェルフェアの話題が増えてきました。ヨーロッパでは、動物愛護団体や消費者団体からの圧力が始まりでしたが、EUの現状の法律がすべて動物のウェルフェアにつながっているかどうかは疑問に感じることもあります。すなわち、人間の感覚が本当に「豚の気持ち」と同じかどうかというところです。豚は人と同じ哺乳類ですから、痛み、悲しみ、怒り、喜びは同じように感じるはずです。しかし、豚が快適に過ごしているかどうかは、豚の習性を良く理解し、豚の行動をしっかり観察することが基本だと思います。これは、現場で充分に実行可能なことです。

 アニマル・ウェルフェアという言葉には、少しマイナスイメージがあるかもしれませんが、豚を快適な環境で育てることは、元気で健康な豚を育てることであり、これは農場の生産成績向上に直結します。水は飲めているか、餌は十分食べられているか、病気やケガを早くに見つけられているか、そして人を恐れていないか、これらが本当のウェルフェアのように感じます。

 ここ数年は、養豚現場に行くことが多くなりました。最初は病気に目が行くことが多かったのですが、豚を上手に、そして快適に飼うことが病気を予防する一番の方法であることに気付き始めました。元気に育つ豚は病気に強く、疾病対策も成功しやすいようです。管理する人の精神的ストレスや仕事量も減らします。そして何より、農場の生産成績の向上が期待できます。やはり、基本が重要だということはどの仕事でも同じだということを実感するこの頃です。養豚は奥が深く、私もまだまだ経験が足りませんが、今後も業界の皆さまのお役に立てるよう、励んでいく所存です。

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